松山市の南の端、三坂峠の麓に広がる森の中でひっそりと工房を構え、日々黙々と一人創作活動にいそしむ男がいる。その名は石田誠、職業は陶芸家。石田さんは久万高原町出身、22歳で陶芸を志し、焼き物所である愛知県瀬戸市で修行。約10年前に愛媛に戻り、故郷に程近いこの地に工房を構えた。
愛媛で陶芸と言うと砥部焼が真っ先に連想されるが、石田さんは『南蛮焼し締め』という沖縄に伝わる製法で作品を作る。工房にある巨大な登り窯で三日三晩、不眠不休で薪をくべながら赤褐色になるまで焼き上げられた作品は、作者の優しいながらも芯の強い性格がそのまま作風に現われるのだろう、素朴で柔らかな風合いを醸し出しながらも、どこか凛とした雰囲気も持っている。
実は僕は、石田さんの作品の愛用者の一人。石田さんの作る南蛮の食器は野菜でも魚でも、どんな食材でも引き立てる力を持つ。特に褐色の茶碗に盛られた白ご飯はそれだけでご馳走に見えてしまうから不思議だ。そんな視覚からの味わいを引き立ててくれる石田さんの作品のファンは日本全国に広がり、毎月のように東京を始め全国各地で個展が開催されるほか、様々な雑誌で取り上げられるなど、年々注目度が高まっている。
こんな人気作家の石田さんだが、実際の人柄はというと……遊びに行くといつも作業の手を休めてお茶を入れてくれて、世間話に付き合ってくれる。時にはポロポロとギターなんか弾いてくれたりして…… マイペースで気さくな兄貴と言った感じ。こんな彼だからこそ味のある食器を作ることができるんだろうな。どんなにメジャーになっても奢ることなく変わらない石田さん、作品だけじゃなくアナタ自身が最高にカッコいいです!
<石田誠 個展情報>
日程 タイトル ギャラリー名
7/14~29 「夏の日に、あるもの」展 空音 (東京・東中野)
7/21~8/4 「土焼きのうつわ展」個展 ごっと洞 (名古屋)
7/28~8/2 「ビアパーティー展」 shizen (東京・千駄ケ谷)
8/3~8/26 「八月 白磁展」 うつわ穂垂 (奈良)
9月下旬 「石田誠 海野毅 二人展」 魯山 (東京・西荻窪)
11/15~23 「石田誠 陶展」 うつわ祥見 (鎌倉)
文&写真 忠政ひろふみ
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